脇役~悪役

 もともとラブラブなハッピーエンド物語の集まりである「Chocolate Time」シリーズには、「悪役」と呼べる人物は、そう多くは登場しません。しかも、その数少ない悪役たちも、改心したり社会的に処罰されたりしていて、決して「やりっぱなし」で消えることは許されていません。ですから、読者が「こいつは許せん!」と怒りに打ち震えるところまで、この方々は振る舞わないのです。ちょっと消化不良気味ですか……。

アヤカ

アヤカ

 抜群のスタイル、超美形の顔立ち。男たちは彼女をこっそり一人エッチのおかずにすることはあっても、面と向かって告白するなどという大胆なことができずにいました。

 彼女自身、高校時代水泳部のマネージャをやっていて、男たちのそういういやらしい視線を浴びることにはすっかり慣れていましたが、実際交際をするための理想の男のレベルが非常に高かったため、いつまでも恋人を作ることができないでいました。

 そんな折、水泳部のメンバーの一人だったケンジが自分にとってストライクであったにもかかわらず彼がまったく自分になびかなかったため、強硬手段に出て、ケンジを拘束してレイプしてしまったのでした。

 それでもケンジは当時の恋人マユミへの想いを強く持ち続け、アヤカを赦し、慰め、改心させます。

 彼女はその後、大学で知り合ったアメリカ国籍の男性と結婚し、同国に移り住みました。

Macadamia Nuts Chocolate Time

沼口 洋(ぬまぐち ひろし)

沼口 洋

 高校、大学とラグビー選手として活躍した後、教員免許を取得して鈴掛南中学校の理科教諭として勤務。

 この男には、若い男性への性的執着心がありました。そしてこの勤務校の男子生徒が何人もその毒牙に掛けられていったのです。

 当時中二だったは、この男に理科室に連れ込まれ、全裸にされ、拘束され、凌辱されてしまいましたが、死ぬ程落ち込んでいた龍の心を健太郎と真雪が救い、龍の父親ケンジが被害届を出したことから警察が動き、余罪も追及され、結果未成年に対する性的虐待および傷害の罪で逮捕され、懲戒免職処分になりました。

 中学校で担任をしていた頃は、少なくとも女子生徒には普通に親切に、親身になって接していたため、被害生徒さえ口を割らなければ足がつかない状態だったのです。実際女子生徒にはかなり人気のある先生でした。

Milk Chocolate Time

板東 俊介(ばんどう しゅんすけ)

板東 俊介

 板東俊介は、郊外にある著名な水族館の研修主任として働いていました。この水族館は、水棲生物や動物の飼育に関する研究施設や研修機関も兼ね備えていて、定期的にいくつかの専門学校や水産高校などから実習生を受け入れていました。

 その実習は通常宿泊を伴っていて、若い実習生たちは期間中水族館付設の社員寮に寝泊まりすることになっていました。

 研修主任として、実習の総責任者だった板東はその実習生の中に自分好みの女性を見つけると、食事に誘い、多くの場合酒を勧めて酔わせ、甘い言葉で誘惑してホテルに連れ込み思いを遂げるということを続けていました。

 実習生は頭も切れて仕事もでき、実年齢よりもずっと若く見えるこの男の容姿と甘いマスクと巧みな話術にまんまと騙され、簡単に落とされていったわけです。

 この男の憎むべきところは、妻子持ちであるということに加え、水族館の事務長として働いていた自分より5歳程年下の佐藤という女性とも関係を続けていたこと。その上、年によっては、複数の実習生を手籠めにしたこともあったこと。つまり、実習生、事務長の佐藤、自分の妻、と3股、4股がけを平気でやってのける厚顔無恥な男であったわけです。

 この男の罠にはまり、身体を預けてしまった真雪と、その恋人龍の心には、想像以上の傷が残りました。真雪の友人、ユウナとリサがその敵をとり、結局板東は裁判所の離婚調停により妻子から遠ざけられ、慰謝料と養育費の負担義務を負い、長く働いていた水族館も事務長の一言でクビになりました。


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