《海棠兄妹》

　シリーズ『Chocolate Time』のスタートはこの二人。海棠家に生まれた双子の兄妹ケンジとマユミ。

　この二人は高校二年生の夏（８月３日）に兄妹でありながら禁を破り、お互いを強く想い合って一線を越え、肉体関係を結んでしまいました。
　兄ケンジは当時水泳の名門『すずかけ高等学校』に通い、水泳部で優秀な実績を上げていて、一方妹のマユミは『すずかけ商業高等学校』に通い、水泳部のマネージャをやっていました（Twin's Story 1 "Chocolate Time"）。

　その後二人はずっと秘密の恋人同士として、毎夜のように隣り合った二人の部屋のどちらかで抱き合っていましたが、ケンジが保健体育系の大学に進学するために家を離れ、マユミも自宅から経済系の短大に通い始めると、二人は兄妹で愛し合うというタブーを強く意識し始めます。どんなに愛し合っていても結婚することができないという現実が二人の前に立ちはだかるのです（Twin's Story 5 "Lequor Chocolate Time"）。

　ケンジは苦しみ抜いて、マユミを親友のケネス（ケネスのプロフィール）に委ねます。高二の時に知り合ったその友人は、二人の秘密の関係を知っていた唯一の人物であったばかりか、いつも二人の間にいて、ケンジにはもちろん、マユミにも常に温かいまなざしを送り、実はほのかな恋心をも抱いていました。ケンジはそのことに気づいていて、だからこそ、この気の置けない男に最愛の妹＝恋人を譲ることを決意したのでした（→基礎知識『ケンジとケネス』）。

　マユミも少なからずケネスに好意を抱いていましたが、それは彼女を悩ます原因でもありました。二人の男性に惹かれる自分、どちらかを選ぶことができなくてもがく自分……。結局彼女も悩みに悩んでケネスと生涯を共にすることを誓うのです。

　ケンジは大学でしばらく傷心の日々を送っていましたが、２学年上の水泳サークルの先輩兵藤 ミカ（ミカのプロフィール）が彼の辛さを受け止め、気持ちを癒してくれるうちに、ケンジもミカに熱い気持ちを抱き始めます。実はミカはケンジが入学したときから彼に想いを寄せていたのです。そうしてケンジはこの頼りがいのある先輩ミカと大学を卒業して間もなく結婚することになります。

　ミカと結婚したケンジ、ケネスを生涯の伴侶に選んだマユミでしたが、この兄妹、実は結婚後も繋がり合う仲です。二人の配偶者ミカとケネスはそれ（ケンジとマユミが抱き合って愛し合うこと）を別に何も気にしていません。こうしてこの双子の兄妹はずっと濃厚に仲良くやっていけているのです（→基礎知識『ケンジとマユミ、ケネスとミカ』）。