Twin's Story 3 "Mint Chocolate Time"

《4 波に揺られて》

 

「さてと、」食べ終わったケンジが立ち上がった。「それじゃあケニー、俺たち、ボートで沖に出るから」

「おお、もうムラムラきたんか。ケンジ」

「ばかっ!」

「ほな、気いつけて」

 

 ケンジはマユミをボートに乗せ、海に押し出した。そして自分もボートに乗り込み、マユミと向かい合って座った。そして海の中にいる人混みをかき分けながら、小さなオールを使ってボートを沖へと進ませた。

「ケン兄、気持ちいいね」

「そうだな」

 二人の素肌を爽やかな風がまつわりつきながら吹きすぎた。

 

 

 かなり沖に出た。もう浜にいる人たちも遠くに小さく見えているだけだった。

「マユ、横になりなよ」

「えー。ケン兄ったら……。もう我慢できないの?」

「い、いや、そうじゃなくて、この炎天下じゃ、おまえ、その肌が焼けてしまうよ。俺が紫外線から守ってやるから」


 マユミはケンジに言われたとおりにボートに仰向けになった。ケンジはマユミに覆い被さるようにその逞しい身体を重ねた。「ケン兄」マユミは思わずケンジの背中に腕を回した。「マ、マユ、もう少し待ってくれよ……」

 ケンジの心臓は次第にその鼓動を速くし始めた。重なったケンジの身体からそのことを察知したマユミは言った。「ねえねえ、ケン兄、下になってよ」

「え?」

「いいから」

 

 今度はケンジがボートの底に仰向けになった。マユミはいきなりケンジの小さな水着を下に降ろした。「あっ!」

「じっとしててね、ケン兄」

 しかしケンジは慌てて自分の股間を両手で押さえた。

「もう! なんで邪魔するの?」

「だ、だって、は、恥ずかしいじゃないか」

「だから、なんで恥ずかしいんだよ。ケン兄、夜にいっぱいもっと恥ずかしいことしてるじゃん」

「夜はいいんだ。でも、こ、こんなに眩しい光の中で見られるのって、やっぱり……」

「いいから手をどかすのっ!」マユミはケンジの手を振りほどいた。ケンジのペニスはすでに大きく怒張し、脈打っている。ケンジは振りほどかれた両手で自分の顔を覆って、情けない声を上げた。「マユー」

「ケン兄ったら女のコみたい」くすっと笑った後、マユミはケンジのペニスをゆっくりと口に咥え込んだ。

「ううっ!」

 

 しばらく舌で愛撫を続けた後、マユミは口を離して言った。「今日はちょっと本気だからね」

 ケンジは手で顔を隠したまま言った。「本気?」

「イってもいいからね、あたしの口に」

「い、いや、だめだ、それはだめだって言っただろ!」とっさにケンジが顔から手を離し、首を持ち上げて主張した。「イくときは外で、うああっ!」

 マユミは例によってそんなケンジの言葉を無視して彼の腰に手を回すと、再びペニスを咥え込み、大きく出し入れし始めた。

「あああああ、マ、マユ……」

 

 マユミの唾液と自分で分泌する液で濡れきったペニスはさらに大きさを増し、ビクビクと脈動し始めた。

 

「だ、だめだっ! も、もうイく、イくっ! 離れろ! 口を離してくれ! マユ! マユっ!」ケンジは大きく身体を仰け反らせた。

「ぐうっ!」

 その拍子にボートが大きく傾き、マユミの口がケンジから外れてしまった。

「きゃっ!」

 そして次の瞬間、いきり立ったケンジのペニスから勢いよく精液が飛び出した。

 

 びゅびゅっ!

 それはケンジの頭上高く放たれ、弧を描いて海に落ちていった。

 

 どびゅっ! どびゅっ!

 

 大きく放物線を描いて、ケンジの身体の中にあった白い液が幾筋も海に向かって放出された。

 

「すごい! ケン兄、すごい勢いだね」ケンジの足下にちょこんと正座したマユミが感嘆の声で言った。

 勢いが弱まった残りの液は、ケンジの胸に、それでも大量にまつわりついた。ケンジは大きく肩で息をしていた。

「こんな勢いであたしの中に発射されてたんだー。すごいすごい!」

「マユー……」

「口で受け止めたかったなー」

「か、勘弁してくれー」

 

 その時、ケンジの頭の方向から声がした。「ほんま、溜まってたみたいやな、ケンジ」

「ケニー!」マユミが叫んだ。ケンジも起き上がって振り向いた。

 ケネスは二人の乗ったボートの縁に手を掛けた。「えらい勢いで飛んできたで、ケンジ」

「お、おまえ、こんなとこで何やってんだ?」

「一人でのんびり遠泳や。あの島をぐるっと回って帰ってこう、思てる」

 

 ケネスが指さす方向に小さな島があった。木が生い茂り、どうやら無人島のようだった。

 

「ほな、ごゆっくり」ケネスは再び海に入り、ゆっくりした平泳ぎでその島を目指して離れていった。

 豪快に晴れ上がっていた空に、雲が発生し始めた。そしてしばらくすると、ボートの二人の紫外線を大きな雲の塊が遮った。

「助かった。これでマユの肌が守られる」

「気にしなくてもいいのに……」

 

 

 二人は横になって抱き合った。ケンジは水着を穿き直した。

「ようし、マユ、こんどは俺の番だぞ」

 ケンジはマユミにキスをした。そして豊かなバストを覆っていたブラに手を掛け、下の隙間から指を差し入れてマユミの乳首をつまんだ。

「ああっ……」マユミは身をよじらせた。

 そのままブラをずり上げ、二つの乳房を露わにしたケンジは、片方ずつその柔らかな膨らみを口に含んで愛撫した。「ああん……、ケン兄……」

 

 やがてケンジは左手をマユミのビキニの中に差し込んで、敏感になっていた谷間に指をゆっくりと挿入していった。

「んっ!」マユミが固く目を閉じて身体をびくんと震わせた。

 ケンジは指で谷間を刺激しながらマユミのビキニをゆっくりと脱がせた。そして人差し指と中指をそろえてマユミの正面からそれまでよりも深く、中に入り込ませ、二つの指先を慎重に細かく動かしながら、粘膜を傷つけないように内壁を柔らかくさすり続けた。

 

「ああああ! ケン兄、ケン兄っ!」マユミは身をよじらせながら喘いだ。ビキニが脚にとどまり、ぴったりと合わされた両太股はいつしかぬるぬるになり、ケンジの指の動きを助けた。

 

 ケンジは右手で乳首をつまんで刺激した。「ああああ! ケン兄! ケン兄! あたし、あたしっ! イっちゃう……」

 

 マユミの身体が痙攣し始めた。ケンジはとっさに唇でマユミの口を塞いだ。「んんっ!」ビクン! マユミの身体がひときわ大きく脈打った。ケンジに口を塞がれたまま、苦しそうにマユミは呻き続けた。「んんんーっ! んっ、んっ!」

 

 はあっ! ケンジがマユミから口を離したとたん、マユミは大きなため息をついた。

「どうだった? マユ」

「す、すごい。ケン兄の指でイかせるテクニック、ますますグレードアップしてるよ……」

 

 マユミはまだ大きく肩で息をしている。

 

「俺もいろいろ研究してるんだ」

「AVビデオで?」

「いや、あれは虚構だから参考にしない」

「虚構?」

「そう。あの女優の反応は演技で、オトコが見て興奮するように作られてるから、女の人はあんなことされても感じないらしい」

「らしい、って」

「いつか本で読んだって言っただろ」

「そうか、そうだったね。ケン兄、エッチな本、立ち読みしてたんだったね」

「エッチな本っていうワケじゃないぞ。ちゃんと科学的にセックスについて書いてある本だ」

「あたしのために?」マユミは少し眉尻を下げてケンジの顔を見つめた。

 ケンジはコクンとうなずいて、照れたような微笑みを返した。

 

 マユミは水着を穿き直した。そして二人はまた抱き合った。そしてそのままいつしかケンジとマユミはボートの上でうとうとと眠り始めた。

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